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本文最後由 taf_jsc 於 2024-12-9 20:50 編輯
各地で事故多発の掘削機「シールドマシン」の稼働実態とは? 広島市の住宅街陥没に続き、町田市でも地下水湧出&気泡出現!?取材・文/樫田秀樹 12/8(日) 7:30配信 週プレNEWS
トンネル掘削機「シールドマシン」が原因とみられる事故が絶えない。今年だけでも品川区、広島市、町田市で確認されている。そもそもどんな機械なのか? どうしてこんなに事故が多いのか? 今後も事故は続くのか? 徹底取材で明らかにする!
自宅の庭に突然湧水と気泡が発生!
10月22日朝6時。東京都町田市小野路町に住むMさん(80代男性)は、庭に突如として湧いた水とブクブク泡立つ気泡に驚いた。
Mさんは水道管の破裂を疑ったが、数時間後に来訪した市水道局の職員がその場で試薬検査を実施し、塩素反応がなかったため、「水道水ではない」と告げられた。
つまり、地下水である可能性が高い。なぜ突然、地下水と謎の気泡が湧いたのか。いったい地下で何が起こっているのだろうか。
Mさんが付き合いのある市民団体「リニア中央新幹線を考える町田の会」(以下、町田の会)に来てもらったところ、現場を見たメンバーは、「JR東海のリニア中央新幹線(以下、リニア)の工事が原因では」と推測し、13時過ぎにJR東海と施工を担う建設会社「安藤ハザマ」に現場に来るよう連絡した。
町田の会の奥村憲雄さんは、「Mさん宅から約200m離れた立て坑から、昨年7月に直径14mの掘削機(シールドマシン)がリニアのトンネル掘削を開始しました。
そしてまさに今、Mさん宅の近くにまで迫っています。今回の件はマシンが原因だと思います」と推測した。事実、マシンによる気泡発生は過去にも発生していたからだ。
マシンの仕組みと過去の気泡発生事故
まず、シールドマシンについて簡単に説明しよう。マシンの形状は円筒形。その先端には土を削るための、おろし金のような金属製の刃(カッタービット)が何百個と装着されている。
この先端部分が回転しながら土を掘削する。概して、都市部での軟らかい地盤に向いた工法とされている。地質によっては、土を掘りやすくするためにカッタービットのいくつかからシェービングクリームのような起泡剤を噴霧する。
マシンは、都市部地下での上下水道、ガス管、電力工事などに多用されており、市民生活への貢献度は高い。ところが、そうした事業で使われるマシンはほとんどが直径5m以下だったのだが、その直径が10mを超えるようになったここ数年で事故が増えてきたのだ。
例えば、2018年。ネクスコ東日本は東京外かく環状道路(以下、外環)の建設のため、東京都世田谷区の地下を掘削していた。使われていたマシンの直径は16m。
マシンからの起泡剤の気体成分が地上に漏出し、1級河川の野川でジェットバス状の気泡が湧いた。この気泡は以降何度も発生。20年5月に市民団体「外環ネット」が気泡の気体をペットボトルに採取して酸素濃度を測定すると、人が一呼吸すれば数分で致死するレベルの6%しかなかった(通常は21%程度)。
その後、同じマシンが調布市で稼働し続け、同年10月18日に大きな陥没事故を起こしたのは広く知られている。
今年8月にも品川区の目黒川で気泡が湧いた。21年10月に品川区のリニアの立て坑「北品川非常口」から発進した直径14mのマシンが、目黒川のほぼ直下を掘削しているときのことだった。
住民がJR東海の工事事務所に問い合わせたところ、この気泡の酸素濃度は世田谷の件よりさらに低い4%だった。
そして今回の町田市では、民家で初めて気泡が確認された。町田の会の桜井朋広さんは、「もし酸欠空気が井戸に湧いたり、古い住宅の亀裂から家屋内に侵入したら危険です」と強い危惧感を示している。
実際、町田の会はペットボトルに気泡を採取し、酸素濃度を測定。結果、これまでの事例で最低の1%という極めて危険な値を計測した。
JR東海と安藤ハザマは町田の会の求めに応じ、Mさん宅を訪ねて地下水だけを採取し、マシンの稼働を停止。2日後の24日に地下水と気泡の湧出も止まったため、湧出の原因はシールドマシンによる工事であると推定できる。
陥没事故なども全国で頻発中!
地下水や気泡が出るだけではない。大口径のシールドマシンによる事故は、今まさに全国各地で頻発している。
20年6月12日と30日、神奈川県横浜市港北区の幹線道路で、2回続けて陥没事故が発生した。
その地下18mでは、直径10mのシールドマシンを用いて「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(以下、鉄道機構)による相鉄・東急直通線・新横浜トンネル工事が行なわれていた。原因はマシンが土砂を取り込みすぎたことだった。
鉄道機構は、北海道新幹線の延伸工事も直径12mのマシンで行なっている。21年7月、羊蹄(ようてい)トンネル工事でマシンが巨岩とぶつかり工事中断となり、22年4月13日、その巨岩の直上の地表面が陥没。神奈川と北海道どちらの事故でも、人や車が巻き込まれなかったのは不幸中の幸いだった。
また、広島県広島市ではシールドマシンを用いた工事によって、立て続けに市民生活が脅かされている。
これは本誌23年36号でも取り上げた事例だが、広島市の広島高速道路公社は直径14mのマシンで広島高速5号線を建設中だ。
このうちの「二葉山トンネル」(約1.4㎞)では、18年からその直上の住宅街で振動や騒音が確認され、外壁や路面に亀裂が走っていた。そして、22年末には地表面が隆起し、工事が半年間も中断した。家によっては水道管が破損し、障子も閉まらなくなった。
相次ぐ事故は「人災」か
なぜ大口径のシールドマシンによる事故が頻発するのか。
地盤の研究を進める「環境地盤研究所」の徳竹真人(まひと)所長は以下の見解を示した。
「土質力学の専門家などは『トンネル直径の1.5倍以上の土被(どかぶ)り(トンネル上部から地表面までの距離)があれば地上に影響はない』と学会などで述べていました。ただこれは、工事の実績でわかった経験値に過ぎません。
そして、当時のシールドマシンの直径はせいぜい8m。この頃は市民生活を脅かすような事故はありませんでした。
しかし、近年はトンネルとそれを掘削するシールドマシンの直径が徐々に巨大化しています。ここで問題になるのが、『トンネル直径の1.5倍以上の土被りがあれば地上に影響はない』という小口径の経験値を、大口径のトンネルにもそのまま適用できるのかどうか。実は、誰もそんな計算なんてしていないんです」
確かに、20年10月18日の東京都調布市での陥没事故では、トンネルの直径16mに対して土被りは3倍弱の47m。今回の町田市での気泡事件は、トンネルの直径14mに対して土被りは3倍強の45mだ。土被り1.5倍を優に超えているが、事故は起きた。
また、シールドマシンによる事故は人災の側面も強いと筆者は見る。 まず、事前調査がおろそかである。徳竹所長は、「マシンは掘進すれば前に行くしかない。後戻りできない。掘削前にできれば200m置きにボーリングをして地質を把握する必要がある」と強調するが、多くの事業ではそれほど綿密には実施されていない。
例えば、リニアは工区によっては約400m置きに過ぎないし、外環工事では、調布市の陥没地点の前後1㎞にわたり未実施だった。ネクスコ東日本が慌ててボーリングを実施したのは陥没事故が起きてからだ。
そして、長さ最大30m台の空洞が3つも見つかり、住民を不安に陥れた。
さらに、工事の阻害要因が発見・予期されても、結局は学識者の判断で工事を開始・再開してしまう傾向もある。
広島高速5号線の地盤は、徳竹所長が「マシンを使用すべきではない」と判断する硬い花崗(かこう)岩だ。しかし、広島高速道路公社は学識経験者らからなる「広島高速5号線トンネル安全検討委員会」から「どんな工法でも安全な工事は可能」とのお墨付きを得て工事を開始した。
調布市での陥没事故では、原因究明を担う「有識者委員会」は21年2月、非常に乏しい根拠で「極めて特殊な地盤における施工ミスで起きた」と公表し、工事再開のお墨付きを与えた。
その後にシールドマシンの運用を予定していたJR東海は、同年6月からの住民説明会でこの見解を引用し、「リニア工区に『特殊な地盤はない』し、施工管理も強化するので追加の事前調査は実施しません」と明言。ところが、今年になって目黒川に気泡が湧き、町田市では民家に地下水と気泡が出た。
JR東海が強調する「安全」とは?
11月8日。JR東海は町田市のMさん宅を訪ね、採取した水の分析結果を「起泡剤には界面活性剤が使用されるが、今回の湧水では活性剤由来の成分濃度は基準値以下だから問題ない」と説明。Mさんは「そんな説明で納得できますか。私が心配なのは、地面の下がどうなっているかなんです」と不安げに語る。
実際、Mさん宅周辺は11月現在も大変な状況だ。近所の住民Aさんが言うには、今年に入ってからアスファルトのあちこちに亀裂が走るようになり、町田市に連絡をして充填剤で補修させても、すぐに新たな亀裂ができるというのだ。
筆者も数十の亀裂を確認した。工事との因果関係はわからないにしても、Aさんは「地盤が緩んだのでは。地盤沈下するかも」と心配する。
さらに、11月13日に丹羽俊介JR東海社長が記者会見で「町田の現場に空洞はない」と断言。町田の会の奥村さんは「JR東海は確かに、私の目の前でMさん宅周辺を電波探査機を使って調査しました。
でもあの機械って地下1.5mまでしか探査できないんですよ」と驚きを隠せない。JR東海はトンネル掘削をしている地下45mまでの調査をしていないのに、「空洞はない」と言い切ったのだ。
筆者は安藤ハザマに「工事再開前に、まずは住民説明会を開催し理解を得るのが先では」と尋ねたが、「回答は差し控えます」との返事を得ただけだった。
小口径でも起きた広島の陥没事故
最後に、今年9月26日に広島市下水道局の雨水管の建設工事(地下30m)で発生した事故を取り上げたい。液状化現象を伴う30m×40mという広範囲での陥没事故だ。
筆者は翌27日に現地を訪問。現場周辺には規制線が張られ、陥没現場の交差点周辺の12棟の家屋は一斉に傾き、約30世帯が避難生活を余儀なくされていた。
交差点に近い場所に住む男性は「俺の家は傾き、天井も割れた。いきなりここで住めなくなった。もう何十年も住み慣れたここを離れ、いったいどこに行けば......」と途方に暮れていた。
関係者が驚いたのは、事故を起こしたマシンが直径6mしかないのにこれだけの事故を引き起こしたことだ。
現時点でひとつだけわかっているのは、通常はありえないが、マシンに大量の泥水が流入したこと。これによりマシン周辺の地盤が緩み、それが陥没につながったと推測される。マシンの接合部の不具合という可能性もあり、小口径であれ今後も同様の事故が起きる可能性は否定できない。
陥没直後に市は被災住民の前で説明会を開催したが、住民からは「これ、人災ですよね!」との非難が飛び交った。
広島市は11月から原因究明の協議を開始しているが、その過程で事前調査などの不備が明らかになれば、まごう方なき人災だ。これ以上、人為的なシールドマシン事故が起きないことを祈る。
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https://news.yahoo.co.jp/article ... 13d4ebb76f01?page=4
https://news.yahoo.co.jp/article ... 13d4ebb76f01?page=5
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潛盾機的施作,先是導坑,後是根據導坑做出的研究報告,施作土壤(地質)改良,再是根據建案訂做潛盾機。當年雪隧所發生的錯誤,就是未經先導的地質研究,就直接向國外訂製潛盾機,直接開挖施作,結果就是一連串的浪費與工程災難。當年的高雄捷運在中正地下道坍塌及鹽埕區坍塌,也都是相同的狀況。
沒想到日本竟也發生類似的狀況,只有想到要依潛盾機尺寸大小,預估挖掘深度,卻沒考慮到地下水的現場與地質問題,結果就是不斷坍塌的工程災難。唉!
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