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1兆9000億円の巨大赤字!「令和の米騒動」と「農林中金問題」で露呈する「日本の旧来型エリート」の限界2/28(金) 8:01配信 現代ビジネス
「令和の米騒動」のウラで深刻化した農林中金問題
コメの価格が高騰している。一昨年、2023年には5で2500円程度だった米価は昨年の夏には4000円に高騰し、その後も高止まりが続いている。「令和の米騒動」と形容されているが、確かに昨夏、新米が出始める前には筆者の近隣のスーパーでも米の棚が空に近かったのを記憶している。その後、極端な品薄状態は終わったが、相変わらず米価は高止まりしたままだ。
TVニュースなどでは、その背景として直接農家からコメを買い漁る投機的な思惑を持つ異業種や外国人の存在を抉る報道がある。またその一方で、より本質的な問題として1971年から2018年まで47年の長きに亘り続いていた、米価を維持するための減反政策等の日本の農政それ自体の問題を指摘する声も上がっている。そうしたなか遅きに失したときつく評されながらも、政府は政府備蓄米21万トンの放出や輸入米2万トンの増加など、対策を打ち出している。
さて、「令和の米騒動」という言葉が飛び交い始めたやはり昨年夏に飛び出してきたのが、JAバンクやJFマリンバンクなど農家や漁業従事者を主たる預金者とする資金を最終的に運用している農林中金が外債運用に失敗し、膨大な評価損を抱え、2025年3月期に1兆5000億円を超える損失を計上する見込み、という報道だった。
時系列的にはその前段として、2024年5月22日に行われた2024年3月期の決算発表で、2022年11月からの米国の金融政策転換から抱え始めた外債評価損の問題と2025年3月期に5000億円近い損失を計上して一部外債の売却、ポートフォリオの入れ替えを図る旨の発表があった。それは発表前日に理事長の3年任期の3選が決まるなど、まるで<フジテレビの最初のTVカメラを入れずに行った記者会見>同様、農林中金自体はそこまでの深刻さは感じていないよう発表だった。
それが、夏になって前述したように損失額が想定以上に拡大すると幾つかの報道機関が記事を出し、話題になるにつれ、さすがに農林水産省が有識者の検証会を招集し、なぜ農林中金が運用失敗に追い込まれたのか、原因の追究と今後の対策などが、議論され始め、その報告などを受けて、去る2月20日、最終的な損失額が1兆9000億円にのぼることや、3期目の途上になるものの、その責任を負っての理事長の辞任、新理事長の就任、一連の事案に対する今後の改善策などが発表された訳だ。
1兆9000億円という途方もない赤字額
この件に関して、まず驚かなければならないのは、1兆9000億円という金額の途方もなさ、だろう。例えば同じ日の日経には、北海道と本州を結ぶ送電網建設の計画が記事になっているが、その整備費用が1兆5000億円から1兆8000億円と見込まれている。これは約800キロの日本海での海底ケーブル建設のために見込まれる費用になるが、北海道の広大な土地を利用し、そこで作られた再生可能エネルギーを首都圏に送る、という巨大プロジェクトの費用が賄える金額、それが1兆9000億円という数字になる。
いや、もっと単純に仮に400万円で5万人を雇用した場合、1兆9000億円は、その5万人をアバウトに言えば9年から10年雇い続けることができる金額になる。また、少し古いデータにはなるが、平成29年3月の農林水産省『稲作の現状とその課題』に平成25年度の農業所得の総額が3兆3000億円であることが「農業所得の推移」に示されている。それが農林中金に預金者として預金を預けている人々のとりあえずは所得の総和なのだ、と考えれば、1兆9000億円の持つ意味の大きさが良く分かるだろう。
農林中金はそれ以前にもリーマンショック時に運用失敗で5700億円の損失を計上、1兆9000億円の増資でそれを乗り切った過去がある。今回もまたすでに1兆4000億円の増資を終えていることが発表されているが、そのこと自体もまた<途方もない驚き>になるだろう。
農林中金は協同組合なので、単純には言えないものの、一般企業の公募増資のレベルを考えても、簡単に1兆9000億円や1兆4000億円が(しかも運用失敗の後で)増資できてしまうことは、まずありえないことだ。これは逆に、JAなど農林中金を支える構造の堅固さでもあるし、そんな構造自体の病の深さも示しているだろう。
構造自体の病の深さ、つまりそれは戦後日本の(農林中金は戦中の統制経済体制が残存され、戦後日本をカタチ作ったものだが)システムそのものの病の深さ(もう耐用年数を終えている事実)を示している。
さて、リーマンショック時と今回のもっとも違う点は、今回は農林中金に匹敵する日本の金融機関、大手都市銀行3行や、ゆうちょ銀行においては、そのような外債の損失は起きなかったということだ。では、なぜ農林中金はかくも相場を外してしまったのだろう。その分析については、令和7年1月28日に農林水産省が公表した『農林中金の投融資・資産運用に関する有識者検証会報告書』に詳しく書かれている。
ここまでの記述を補足する意味で、そもそも農林中金とは何なのか、については図1、また視覚的に、農林中金にとっても今回の1兆9000億円の赤字が途轍もない数字であることを確認するには図2も参照いただければ有難い。また、図1で分かるように農林中金は約100兆円の資産を持ち、約55兆円を有価証券で運用する巨大な金融機関・機関投資家であること、ここも確認しておきたい。(もしかするとその巨大な資金量からすれば、1兆9000億円の赤字や1兆4000億円の増資も、たいした規模ではなく感じるのかもしれないが、それは大きな勘違いだろう)。
「運用のプロ」が少なすぎる
さて、分析では比較対象として(なぜか一番比較の妥当性を持つ)ゆうちょ銀行を外した都市銀行3行との比較が行われている。関心のある方は実際に報告書をあたってほしいが、そこではまず金融機関としての農林中金の特殊性が、預貸率の低さ(農林中金26%、三菱UFJ49%、三井住友60%、みずほ55%)や、収益構成における運用収益(有価証券売却益と利息配当金)比率の大きさ(農林中金は収益の約8割、都市銀行3行は約2割)などで示される。
そして預貸率の低さは、農林中金が協同組合であり、出資先が農林水産業に限定されるなどの理由があることから来ることや、法的な意味合いからも相対的な高収益を安定して確保し、協同組織に還元せざるをえないなか、長短金利差を利用した外債運用の比率が高くなり、かつそこにしか収益源がないため、長短金利が逆転した後も判断が遅れ、損失が発生した(正確には当面、この環境は続く以上、今後を考え発生させざるをえなくなった)、と書かれている。
分かるような、分からないような苦しい説明に感じるが、端的に、もう一つ示されている図が、なぜ農林中金が追い込まれてしまったのか、を表していると感じる。それが図3になる。
報告書では、機動的なポートフォリオの入れ替えに動けなかった要因について、前出の制約以外に、資産運用を行う体制、特にリスクテイクを行う主体とリスクを管理する主体の分離が都市銀行においてはなされていて、農林中金においては不十分(リスクテイクする側と管理する側に同じメンバーが存在していた、など)だった、と記載されている。特に、ポートフォリオの運営方針を決めるのは、理事会になるが、図3のように、その7名の理事において市場運用経験者は2名であったこと、また常勤・非常勤を問わず兼職禁止のため、運用経験者の登用が限界的であったこと、が指摘されている。
理想は理想として、現実的には収益の大層を運用で得ている機関として、これでは無理だろう、と感じるのは筆者だけではないだろう。
例えば、農林中金以上に巨大な資金を有し、地方活性化などを目指しΣビジネスを重要な取り組みとして掲げてはいるものの、現実的には農林中金同様、低い預貸率のなか、運用収益が収益の柱になっているのが、ゆうちょ銀行だが、ゆうちょ銀行のCEOである笠間氏はゴールドマンサックスの運用畑出身なのは、金融関係者にとっては常識に近い話になる。
生き馬の目を抜く、投資の世界、運用の世界においては、残念だがゼネラリストは(もちろん、その人によるだろうが)、経験を積んだその道のプロには叶わない。それはリアルな戦争において経験を持つ兵士がやはり優れているのと違わない話だ。
「農林中金というシステム」の限界
農林中金については、立派な企業で、HPにはもう外債の評価損に実際には苦しんでいただろう時期に編集されただろう2024年版の統合報告書が掲載されている。そこには、持てるすべての「いのち」に向けて。というパーパスが掲げられている。
「私たち農林中金の仕事は、ある日突然、世界を大きく変えるようなものではない。なぜなら私たちが向き合う農林水産業とは、自然を相手にし、一朝一夕に変化や成果を生み出すものではないから。モノをつくるのではなく、「いのち」を生み、育て、繋いでいくものだから。だからこそ私たちは、世界の金融市場で安定した利益をあげるという挑戦を続け、規模の大小を問わず、地域と農林水産業を守る人々に尽くす金融機関として生きてきた。そうして、100年の歴史を重ねてきた。」
これは冒頭に掲げられたパーパスに繋がる文章前半の抜粋だが、詩人の言葉のように胸に響くものがある。また、皮肉ではなく、安定した利益をあげる、ことを重視されてきたのだろうな、と感じる。
しかし、美しい言葉もリスクをなるべく取らず安定した利益をあげたい、という想いも、荒々しい相場の世界では、あまりにナイーブな響きであり心情に聞こえてしまう。また、リスクを取ったが故の巨大な損失には、もしかしたら救いがあるが、リスクをなるべく避けようとしたための巨大な損失については、残念ながら救いがない。
危惧するのは、新聞報道などに見える新理事長の北林氏の経歴が、前理事長同様、農林中金の生え抜きであり、人事部、総合企画部、秘書役、総務部長などを歴任されたという<これまでの日本のシステムのゼネラリスト的なエリート>の経歴そのもの、であることだ。
もちろん、全ては、その人による、ものでもあるし、今般の反省から運用にかかる体制も、兼任が認めらていくなかで市場経験者の登用も広がるだろう。そこは期待を持って見つめていきたいと思う。思うが、しかし、他の全ての日本企業が抱える問題でもあるが、これまでの安定した世界でのエリートが、そのままこれからの世界でもエリートなのか、は疑問だ。ここにもまた、これまでの日本のシステムが耐用年数を越えてきている、という感じを持つのは筆者だけではないだろう。
さて、そしてまた、本件を通じ本当に我々が考えるべきなのは、これまでのような農業従事者のための最後の資金運用機関としての農林中金、という姿そのものが、在り方として正しいのか、という点だろう。今回の件を反省し、今後は外債運用で損失を出しません、ではなく、結局、その100年の間に農林水産業から(嫌らしい言い方をすれば、そしてまた不動産としての農地から)営々と蓄積された巨大な資金を、次の100年のためにどう使うのか、それ自体だろう。
このようなシステムが本当に我が国の繁栄に繋がるものなのか、地方創生が叫ばれるなか、考えなければならないのは、新しいシステムの在り方それ自体ではないだろうか。零細な兼業の稲作農家の高齢化は止まることはなく、もはや残された時間は限られている。先ほど、1兆9000億円あれば、5万人が平均的な収入で9年から10年、雇用できる、と書いたが、例えば、それがこれから農業を目指す若者の呼び水になるのであれば、妄想として、外債で安定した収益を挙げ、農協に還元し続ける以上に、意味のある話なのかも知れない。或いは逆に今回のようなカタチで農林中金の1兆4000億円の増資に応じ、それを外債運用してもらうのではなく、寧ろそれをファンド化し、「令和の屯田兵プロジェクト」でも始めた方が、良かったのではないか。
それはそのまま地方の再生という話でもあるので、地銀の再生にも、もしかしたら人口の減少防止にも繋がる話になる。また、実験的であっても若い世代が帰農し、そこに街ができれば、その街に小売店や飲食店などの賑わいも生まれるだろう。教育や医療がwebで繋がる世界、誰かがその魅力を発信できれば、何かが変わるかもしれない。
「田園まさに荒れなんとす」その意味では「令和の米騒動」も「農林中金の巨大損失」も、そうした気づきを我々に与えてくれている事象なのかも知れない。
三ツ谷 誠(IR評論家)
https://news.yahoo.co.jp/article ... 7120576d6235?page=1
https://news.yahoo.co.jp/article ... 7120576d6235?page=2
https://news.yahoo.co.jp/article ... 7120576d6235?page=3
https://news.yahoo.co.jp/article ... 7120576d6235?page=4
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約莫快一年前,就曾貼文日本米價波動,源自於農林金融體系虧損的人禍,藉抬高米價填補虧空,或外銷牟利致使國內儲量減少,而非真正產量減少。沒料到今年更嚴重,等到火燒屁股,日本政府才草草開糧緊急應變。唉!文中雖說是投資失利造成一兆九千萬日圓的虧損,但真正有無人謀不彰,或是藉機貪瀆的成分在?反正最後就都是雷曼兄弟的錯。
台灣呢?有沒有類似的情況?就怕國內政客利用政策,創造出短缺而圖謀暴利,賺取災難財,是否更是比政府怠惰釀災更為惡劣?而且以前也曾發生過不是嗎?現在凡事都推託預算刪減,不也是異曲同工之妙?悲哀!
政客冇死,台灣穩死也!
狗吠火車,了然!
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